コロナ後遺症のセルフケアプロジェクト

活動内容と経緯

2019年に始まった新型コロナウイルス感染症による問題は一時的なものではなく2024年現在でもその後遺症(コロナ後遺症)に苦しむ方は増え続けています。

コロナ後遺症の症状は非常に多岐に渡り、中には寝たきりになり、トイレにも行けず、おしめをはいてお尻を拭いてもらう生活になる方もいらっしゃいます。

仕事が困難になり、経済的に困窮し、中には不幸にも自死に至る例もあります。

コロナ後遺症とは

コロナ後遺症の症状は、倦怠感、息切れ、思考力の低下、不眠、体の痛みなどをはじめ200種類以上と大変多岐にわたります。

日常生活にも大きな支障をきたし仕事や家事、学業ができなくなるなど日々苦しい状況を強いられていますが、いまだ効果的な治療は確立されていません。

またコロナ後遺症に取り組む診療施設が不足しているため、医療にアクセスできない方が日本でも世界でもたくさんいらっしゃいます。

・ほんの少しの作業をするだけで動けなくなり数日間寝込んでしまったり、何もできず寝たきりになってしまう。

・数十メートル歩くだけで息が切れたり、息苦しさのために買い物や家事などができなくなってしまう。

・思考力や集中力が低下し仕事などの作業が困難になるだけでなくPCやスマホの画面をみるだけで数日ダウンしてしまう。


このように今まではあたりまえにできていたことができなくなり、日常生活が一変するのがコロナ後遺症です。

仕事ができなくなるために休職から失職にいたり、生活が困窮するケースもとても多いのです。

海外では非常に大きな問題として捉えられ、米国では2022年時点で400万人がコロナ後遺症で就労不能(※)と推定されており、その後も増え続けています。
リンク※:https://jp.wsj.com/articles/over-2-million-americans-arent-working-due-to-long-covid-11661382620

コロナ後遺症とセルフケア

鍼灸師である弊社代表の野崎真治は2022年にコロナ後遺症に苦しむ方が大勢いらっしゃるということを知り、コロナ後遺症の方に役立つことができるのではないかと、後遺症診療のトップランナーである平畑光一医師にメールで連絡をとりました。

コロナ後遺症の類縁疾患とみられるME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労性症候群)やFM(線維筋痛症)に対する施術とセルフケア指導を実施しており、その知識と経験が活かせるのではないかと思ったからです。
数回のメールのやり取りを経て平畑医師とのオンラインでのミーティングが実現、コロナ後遺症の症状や患者さんの置かれている現状について話を聞きました。

そこで自分の培ってきた呼吸法や瞑想、トレーニングなどの知識を活用したコロナ後遺症に対するセルフケアを提案しました。
それが重症度別呼吸リハビリや後遺症の方に対する瞑想法です。


なぜセルフケアが必要かと思ったかというと

・コロナ後遺症で重度の方は寝たきりとなり外出できない

・また受診できる医療機関が非常に少なく自宅療養を余儀なくされている

そういった方が日本全国で万単位でいるだろう
そしてそれは日々増え続けている

という話を平畑医師から聞き、それならば外出せず、自宅でできる自己治療法が必要だと強く思ったからです。


それらセルフケアを平畑医師と共にまずはPS別呼吸リハビリ(重症度別の自己実施型の呼吸リハビリ)として発信しました。

並行して同時期よりコロナ後遺症の方のための瞑想のオンライン指導(オンラインセッション)も無料で実施し続けています。

コロナ後遺症へのヴェリテの取り組み

さらにブラッシュアップのためオンラインでの指導(オンラインセッション)を開始し、そこで受けたフィードバックを元に平畑医師と自己実施型の呼吸リハビリ法を共同開発しました。(仮称:NH式呼吸リハビリ法)

長期的データの蓄積と分析の必要性

オンラインセッションを施行していく中で更なるブラッシュアップの為にデータ取得や分析、改良のための研究が必要となりました。

そこで外部スタッフにシステムの構築を依頼しつつ、セッション参加をスムーズに行うためのサイト運営体制の構築、また対応の為に外部スタッフによる事務局を設けるなどしました。

これらの費用はセッションを無料でおこなっているためヴェリテから支出して活動を支えています。

無償提供の意味は生活に困窮されている方が多いからですが、継続的な支出が年数とともに嵩んでいき厳しい状況というのも正直なところです。

ですがこのような実際の例や声をお聞きすることが励みとなり活動を続けています。

無料オンラインセッションの体験談

野崎
野崎

Mさんは、寝たきりに近い状態だったそうですね

Mさん
Mさん

2021年夏コロナ感染し、そのまま後遺症になり、寝たきりで半年過ごしました


安静時でも血圧は80~160、頻脈120~140、疲労と息切れで無事に明日を迎えられるのか不安でした

仕事は休職を経て退職(せざるを得なかった)です

野崎
野崎

初めてセッションに参加されたのは、いつ頃ですか?

Mさん
Mさん

加療の甲斐があり血圧や脈拍の症状は治まりましたが、背中と両手足に鉛を付けたような倦怠感が続き、PS7のまま1年過ごしていたときです

野崎先生の呼吸法と瞑想に出会いセッションの初期から参加させて頂きました

野崎
野崎

セッションを受ける前の体調は?

Mさん
Mさん

セッションを受ける前は、食事とトイレ以外は寝たきりで、寝返りもつらかったです

眠れないので睡眠導入剤を飲んでいましたが、眠りも浅く、何度も目が覚めていました

足を上げるセッションの姿勢をとるのも難しかったです

野崎
野崎

セッションを始めて、1ヶ月ほどで感じたことは?

Mさん
Mさん

足を上げる姿勢が、だんだんんに楽になりました

睡眠導入剤を飲んでから、寝付く時間が短くなって、夜中に目覚める回数が減りました

20分くらいなら、起きて座れるようになりました

野崎
野崎

2ヶ月ほどで、できることが増えたそうですね

Mさん
Mさん

少しずつ家事ができるようになり、動画を見れれるようになったり、友人と外食もできました

そして、気持ちが明るくなり、「次はこれをしたい」と目標を持てるようになりました

外を歩いても上り坂で息切れをしなくなり、通院後のPEM※もいつの間にかなくなりました

※ PEM(Post-exertional malaise) とは
軽い労作後や、ストレスのあと、5時間~48時間後に急激に強い倦怠感(だるさ)が出てしまう、という症状のことです。

野崎
野崎

Mさん、ありがとうございました

野崎
野崎

Yさんは、Xの投稿で呼吸リハビリを知ったそうですね

Yさん
Yさん

2022年8月にコロナ罹患しました。

その後9月に野崎先生(@nozaki_acu)の呼吸リハを知り、動画を見ながら一日中「0番」をやっていました。

喘息もあるので苦しいし倦怠感や痛みが酷く、その上息子は私以上に状態が悪かったので精神的にも非常に辛かった時期です。

「0番」※をしながらよく泣いていました、

野崎
野崎

オンラインセッションに参加して、いかがでしたか?

Yさん
Yさん

ぎこちなかった呼吸がスムーズにできるようになってきて、肺も膨らむようになりました。

Yさん
Yさん

何より大きかったのは、回復されていく方の姿を見せていただいたことだと思います

これを続ければ自分も少しずつよくなっていくのだろうなというイメージが持てました

そのうちに、これはもしかしたら治るぞという気がしてきて、ある時突然、治ると信じるようになりました

そこからは気持ちが前向きになり、楽になりました

野崎
野崎

気持ちが楽になった、きっかけは?

Yさん
Yさん

多分、セッションに参加していたからこその変化だったと思います。

毎週野崎先生が見守ってくださる中で、最後に皆でシェアをして変化を分かち合います

もう、孤独な作業ではありません

野崎
野崎

体調の変化は、いつ頃から感じましたか?

2ヶ月近くが経ち、身体がいつの間にか整っていました

寝たきりで、受診をすることもできなかったのですが「他の治療を受けられる」程、体力もつきました

野崎
野崎

何が良かったのでしょう?

Yさん
Yさん

すべての基本は呼吸でした

皆さんそれぞれにリハビリの実行をされていると思いますが、オンラインセッションに参加してみる事もお勧めします

後遺症からの帰還の行程は精神的にもとても辛いものです

それでも私は野崎先生に伴走していただきながら何とかここまでやってくることが出来、希望を持てるようになりました

※「0番」とは
コロナ後遺症に対する自己実施型の呼吸リハビリの種目の一つです。
あお向けになり下肢を台などに乗せる安楽姿勢をとる事で、自然に呼吸が深くなり副交感神経優位へ誘導するなどリラクゼーション目的で行います。

野崎
野崎

Yさん、ありがとうございました

セルフケアを実践した方たちの声

それ以降もコロナ後遺症で苦しむ大勢の患者さんへの指導のためにオンラインセッションを継続実施し、参加人数は2024年9月現在でのべ1500人を超えます。

セッションに参加されず動画配信を見て実践した方からもセルフケアを支持する多くの声を頂いております。

平畑医師とのさらなるセルフケアの共同開発、後遺症に関する情報発信・啓蒙活動なども無償で活動を続けており、さらに非営利における研究活動などの人的、経済的な支援を株式会社ヴェリテではおこなっています。